“5 to 11”
SKIP COAT
SKIP COAT
朝の5時から
夜の11時まで
別にそれ以外の時間でもいいけれど
一人だと少し怖いから
散歩の時間はこの間で
ポケットに詰める葉っぱたち
ひらひらと気づけば
コートの襟にもついていた
枯葉の絨毯を
レッドカーペットに見立てて
くるくると踊りたくなるコート
踊るのが恥ずかしければ
控えめなスキップでも
昼は日差しが当たってあたたかい
日が落ちて
凍えるような寒さになってきても
大丈夫
首をふんわりと包んでくれる
大きな大きな襟
マフラーを忘れても平気
外にずっとでていられる
“散歩に出かける”
SALOPETTE PANTS
SALOPETTE PANTS
涼しさを与えてくれた緑の葉っぱたちが
おめかしをはじめ 色付きだし
やがて ふかふかのじゅうたんに変わります
燃えるような真っ赤なもみじ
見るだけで優しい気持ちになれる
いちょうの柔らかいイエロー
靴の裏でコロコロとしたどんぐり
なんだかくすぐったいな
美しい景色が
肌をなでる 少しひんやりとした空気が
主役は私ではない、
彼らの方なのだと
感じさせてくれる
彼らの邪魔をしないように
でもじっくりと、見たいから
ひっそりと控えめの色でお散歩する
子供の頃
たくさん歩く日はスカートではなく
サロペットだった
これさえ履けばどこまででも
散歩できる気がした
日が暮れ出して
指先が かじかんできたら
ポケットに手を突っ込んでしまえばいい
今日は疲れてもタクシーには乗らない
寒かった、と言いながらドアを開け
ちょうど湧いたところの
あったかいお湯に浸かる